風向きについて
室内環境を快適にするには、屋外環境の風を考える必要があります。夏には風通しをよくして体感温度を下げ、冬には冷たい風が流入しないようにします。そのため、開口部の位置や大きさは、採光や排煙、構造など法的な部分だけでなく、風向きなどの室内環境への影響も考慮する必要があります。
陸風と海風とは?
陸風(夜)と海風(昼)の発生メカニズム
地表と海は、太陽の熱を受けたときの温まり方・冷え方が異なります。この性質により、日中と夜間で風向きが変化します。
- 昼間(海風)
- 陸地は海よりも早く暖まり、地表付近の空気が上昇して低気圧を形成します。
- 一方、海上の空気は比較的冷たく、高気圧となります。
- 気圧のバランスを取るために、海から陸へ向かって風が吹くのが「海風」です。
- 夜間(陸風)
- 陸地は海よりも早く冷えるため、陸側が高気圧、海側が低気圧になります。
- そのため、風は陸から海へ向かって吹きます。これが「陸風」です。
- 影響
- 夏の海岸沿いでは、昼間の海風によって涼しさを感じることが多くなります。
- 一方、夜は陸風によって海側へ冷たい空気が流れ、海上の気象に影響を与えます。
風配図とは?
風配図(ウィンドローズ)は、ある地点における風向・風速の分布を視覚的に表した円グラフです。中心から遠いほど、その方位の風の発生頻度が高いことを表しています。その地域の発生頻度が高い風向の風を卓越風といいます。
- 風の頻度が高い方向が長く示されるため、都市計画や建築設計において、換気や防風設計の参考になります。
- 例えば、建物の配置や通風の設計では、風配図を基に風が通りやすい位置に窓を設置するなどの工夫が行われます。特に、工場や風力発電の風車、空港の滑走路などの建設計画で用いられることが多いです。
↑1時間ごとの風を風向別に集計し、全体からの割合で表した風配図です。
東京管区気象台(気象庁) ←色々な場所を見られるので自分の住んでる地域を興味のある方は見てみてください。
ヒートアイランド現象
ヒートアイランド(Heat Island)は、直訳すると熱の島です。その言葉通り都市部だけが海に浮かぶ島のように温暖化する現象で様々な問題が生じています。その原因と影響、対策を見ていきましょう。
ヒートアイランド現象とは?
ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周辺の郊外よりも高くなる現象のことです。特に夏の夜間に顕著となり、都市部の気温が下がりにくくなるため、熱中症リスクが上昇や集中豪雨の増加、生態系への影響があります。大気中の二酸化炭素濃度の上昇が原因である地球温暖化とは別問題ですので混同しないようにしましょう。
主な原因
- 人工排熱
- 自動車や工場、エアコンの排熱が都市部の気温を上昇させます。
- 地表面の変化
- アスファルトやコンクリートは熱を吸収しやすく、夜間になっても放熱が続きます。
- 緑地が少なく、地面の蒸発冷却効果(蒸散作用)が弱まることも原因です。
- 風通しの悪化
- 高層ビルが密集すると、都市部の風通しが悪くなり、熱がこもります。
- 排気ガスやエネルギー消費の増加
- 都市部ではエネルギーの消費量が多く、冷暖房の使用が気温上昇を加速させます。
ヒートアイランド現象の影響
- 夜間でも気温が高く、熱中症リスクが上昇する。
- 電力消費が増加し、エアコン使用によるさらなる温暖化を招く。
- 環境への影響として、局地的な異常気象(ゲリラ豪雨など)の発生が増える。
ヒートアイランド現象の対策
- 都市の緑化
- 屋上緑化、壁面緑化、公園や街路樹の増加により、蒸散作用で気温を下げる。
- 高反射性舗装
- アスファルトの代わりに熱を反射しやすい素材を使うことで、地表の温度を下げる。
- 通風の確保
- 高層ビルの間に風が抜ける空間を作ることで、熱の滞留を防ぐ。
- 省エネの推進
- 省エネ建築や再生可能エネルギーの活用によって、エネルギー消費を抑える。
まとめ
ヒートアイランド現象は、都市環境の設計によって軽減できる問題です。緑化・通風の確保・エネルギー消費の見直しといった対策が、快適な都市環境を作るために不可欠です。