湿り空気曲線とは?
湿り空気曲線(湿り空気線図、Psychrometric Chart)は、空気の温度や湿度、水蒸気の状態を視覚的に表した図です。空調設計や建築環境工学でよく使われ、湿度管理や結露対策、快適な室内環境の設計に役立ちます。
湿り空気曲線の主な要素
湿り空気線図には、さまざまな情報が盛り込まれています。基本的な要素を押さえておきましょう。
- 乾球温度(Dry Bulb Temperature, Tdb)
横軸で表され、通常の温度計で測定する空気の温度です。 - 絶対湿度(Humidity Ratio, W)
縦軸に表示され、空気中の水蒸気量を示します。(単位:g/kg(乾燥空気1kgあたりの水蒸気量)) - 相対湿度(Relative Humidity, RH)
湿り空気線図上の曲線として表され、空気が含める最大の水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合を示します(%)。 - 露点温度(Dew Point Temperature, Tdp)
水蒸気が飽和し、凝結が始まる温度で、等露点温度線として表示されます。 - 湿球温度(Wet Bulb Temperature, Twb)
気化熱による冷却効果を考慮した温度で、蒸発による温度低下を示します。
用語について不安のある方は下記の記事をぜひご覧ください!
湿り空気線図の読み方
湿り空気線図は、以下の手順で読み取ります。
① 乾球温度を確認:垂直の直線で該当する温度を探します。
② 相対湿度の曲線を確認:右上がりの放射状の曲線をたどり、乾球温度と交差する点を見つけます。
③ 絶対湿度を読む:交差した点から水平に伸ばして、絶対湿度を確認します。
④ 湿球温度を確認:交点を基準にして右下がりの斜線をたどり、湿球温度を参照します。
下図のA点の空気は「乾球温度約20℃、湿球温度約11℃、相対湿度約30%、絶対湿度約4.3℃」の空気、B点の空気は「乾球温度約30℃、湿球温度約24℃、相対湿度約60%、絶対湿度約16℃」の空気となります。
公益社団法人建築技術教育普及センター https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.html
実務での活用
湿り空気曲線は、次のような場面で活用されます。
- 空調設計:冷暖房の負荷計算や加湿・除湿の計画に利用
- 結露対策:室内の温湿度管理を最適化し、カビや腐食を防ぐ
- 換気設計:外気との混合空気の状態を確認し、快適な環境を維持
まとめ
湿り空気線図は、温湿度や水蒸気の状態を把握するための重要なツールです。基本的な要素と読み方を押さえ、空調設計や建築環境の管理に活用していきましょう!